「しんぶん赤旗」2019/5/16
諫干開門訴訟漁業者証人尋問 有明海再生のため開門を
 国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防排水門の即時開門を国に求めて、諫早市と雲仙市の漁業者が起こした訴訟の口頭弁論が13日、長崎地裁(武田瑞佳裁判長)でありました。

 原告漁業者4人が証言し、堤防閉め切りにより赤潮が増えヘドロが堆積。タイラギ漁ができなくなるなど、漁業被害広がっていったと主張。「有明海を再生するには開門しかない」と訴えました。

 裁判は次回期日の9月24日に原告、被告双方が最終弁論を行い、結審する見通しです。

 弁論後の報告集会で峰真弁護士は「研究者らの証人尋問で有明海の環境悪化を科学的に明らかにしたことを、漁業者は事実として裏づけてくれた。この裁判で証明したいことが形になった」と述べました。その上で「開門しなければ、有明海再生は進まないとの世論を大きくしていくことが裁判官の心を動かす。判決に向け運動を盛り上げていこう」と呼びかけました。

 証言した4人の内、瑞穂漁協の室田和昭さん(75)大場豊和さん(53)、国見漁協の宮本幸盛さん(70)の3人が集会に参加しました。大場さんは「息子も後継者として頑張っている。これからの若者たちが、漁をしていける海に戻してほしいとの思いで証言した」と語りました。