「しんぶん赤旗」2019/6/29
諫早開門訴訟 国は和解受け入れよ
最高裁不当決定 弁護団が声明
 国営諫早湾干拓事業(長崎県諫早市)をめぐる2件の訴訟で最高裁が潮受け堤防排水門の開門を求める漁業者の上告を退ける決定(26日付)をしたことに対し、「よみがえれ!有明訴訟弁護団」は28日、不当決定であり「心からの憤りを禁じえない」との声明を出しました。

 2件の訴訟のうち、一つは2010年12月の開門確定判決の当事者とは別の漁業者が提訴した開門訴訟です。もう一つは開門阻止訴訟での長崎地裁の不当判決に被告の国が控訴しないため、漁業者が独自で控訴できるよう申し立てた「独立当事者参加」についての許否をめぐる訴訟です。

 声明では、「漁民たちは苦境にあえいでいる。そうした漁民の最後の望みである開門を否定」したと開門訴訟での不当決定を批判。独立当事者参加の不当決定については「馴(な)れ合いの極みである控訴権放棄までしてはばからない国のやり方を許してしまった」と述べています。

 その上で、「今回の二つの不当決定は、開門確定判決や、現在係属中の他の開門訴訟、7月26日に口頭弁論が開かれる請求異議訴訟を何ら左右するものではない」と指摘。今回の決定で「いよいよ開門と非開門がそれぞれの確定判決によって対立することになり、開門をめぐる紛争の合理的な解決のための和解協議がますます必要」と述べ、国が「各当事者の利害を踏まえた真の和解を受け入れるべきである」と求めています。