「しんぶん赤旗」2019/6/15
諫早湾干拓問題 東幹夫・長崎大学名誉教授らを招き講演会
 諫早湾の干潟を守る諫早地区共同センターは11日、長崎県諫早市で東幹夫・長崎大学名誉教授と佐藤慎一・静岡大学教授を招き「有明海のこれからについて」と題して講演会を開きました。

 「有明海保全生態学研究グループ」は、諫早湾干拓事業の潮受け堤防閉め切り(1997年4月)以降、毎年有明海の泥を調査し、ヨコエビ類などの底生動物の平均生息密度の計測などをしています。底生動物は、潮受け堤防閉め切り後減少していましたが、2002年の短期開門調査の直後では前年に比べ6倍超に急増し、再び門を閉じた後は急激に減少。その後、増減を繰り返しながら衰退していった様子が詳しく報告されました。

 佐藤氏は、このままでは、有明海の底生動物がほぼいなくなってしまうことが危惧されると指摘。開門すれば底生動物などを餌とする魚貝類も増加し漁船漁業の回復につながると述べました。

 東氏は「底生動物の減少は、潮止め後の有明海漁船漁業の衰退と一致しており、有明海再生のためには福岡高裁の確定判決を履行し開門調査を行うべき」だと語りました。