「しんぶん赤旗」2019/3/23
諫干開門訴訟証人尋問 評価委員会元事務局長を尋問
 国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防排水門の即時開門を国に求めて、諫早市と雲仙市の漁業者が起こした訴訟の口頭弁論が18日、長崎地裁(武田瑞佳裁判長)でありました。有明海・八代海等総合調査評価委員会の元事務局長の根木桂三氏に対し、原告漁業者側と被告の国側の双方が証人尋問をしました。

 2017年に発表された環境省の評価委員会報告書は、国が諫早湾干拓と有明海異変について、因果関係はないと主張する根拠となったものです。

 漁業者側弁護士は、報告書の図表を示しながら、これを読めば諫早湾干拓によって潮流の変化が起こり、貧酸素水塊や赤潮の発生件数が増大。漁業被害につながったと考えられるのではないかと尋問。根木氏は「そのことについては、報告書の本文の記載で確認してほしい」と述べるにとどめました。

 尋問終了後、馬奈木昭雄弁護団長は「報告書は干拓によって漁業被害が起こったことを認めている。再生への道は開門しかないことをあらためて確認した」と語りました。