「しんぶん赤旗」2019/12/10
新婦人長崎支部 戦争を語り継ぐつどい
  新日本婦人の会長崎支部は8日、写真家の黒ア晴生さん(84)を迎え、「いのちを見つめて〜引き揚げ・戦後生活の体験と写真活動」と題した講演会を長崎市で開きました。

 戦意高揚した1940年、黒アさんは5歳で家族とともに中国の大連市に渡りました。戦後、国民学校2年生だった弟が、ソ連の進駐軍トラックによってひき殺されます。翌年、祖母も死亡。父親は、引き揚げを目前に零下20度の引揚者収容所で亡くなり、火葬もできなかったことなど、大連での辛かった生活を語りました。

 日本に帰国後、銀行に就職。写真と出会い、日本リアリズム写真集団に入会。被爆者の生活に深く入り込み撮影した、福田須磨子、片岡ツヨ、谷口稜曄(すみてる)さんらの写真を掲げ、被爆者が、心と体に傷を抱えながらも核廃絶を求め、力を尽くしてきた様子を紹介しました。

 諫早湾干拓地なども撮影している黒アさんは「ずっと命を見つめて写真を撮り続けてきた。長生きをして、これからもがんばりたい」と話しました。

 これに先立ち、県母親大会連絡会は、長崎市の繁華街で戦時中の召集令状を模した「赤紙」500枚を配布し、「憲法9条を守ろう」と呼びかけました。