「しんぶん赤旗」2019/6/8
土曜ひと時 上田憲三さん(49)諫早市在住
 視覚障害者のために島原市が発行する「広報しまばら」などを点訳する「島原点訳サークル・がんばっ点!」。障害を持つただ一人の会員で副会長です。「写真説明も含め、広報誌と議会だより全ページを点訳しているのは全国でも珍しい」と点字出力装置(写真)を手に胸をはります。

 出身は島原市。未熟児網膜症により20代で全く見えなくなりました。現在は諫早市で鍼灸・マッサージ治療院を開いています。

 パソコンソフトを使い点訳します。ほとんど独学で習得しました。「がんばっ点!」が申し入れて選挙公報も点訳。音声CDとともに配布されていますが、音声CDのみという自治体もあり、「目が見えず、耳が聞こえない盲ろう者は利用できない。盲ろう者への情報も保証されなければいけないのに」と語ります。

 日本共産党の西田京子諫早市議と同市の「バリアフリー懇話会」で知り合い、交流する中で共産党に入党しました。西田市議は「障害を持っているからこそわかることがあると、自分からあらゆる場所に飛び込んでいく。研究熱心で努力家」と評します。

 4月の県議選では日本共産党から車いすの本山敏彦さんが立候補。その姿に勇気づけられ、点訳原稿を持って選挙カーのアナウンサーに初挑戦しました。

 ケアマネージャーの資格を持っており、「障害者・高齢者福祉にも携わっていきたい」と、新たなチャレンジを模索中です。