「しんぶん赤旗」2019/6/2
BSL-4差し止めを求め 抗議のバルーンアクション
 長崎大学は、エボラ出血熱など危険度が最も高い病原体を扱う「バイオセーフティレベル(BSL)4」施設の建設を今年1月から強行しています。施設のある医学部キャンパスは、長崎市の住宅街にあります。

 「BSL4施設設置の中止を求める自治会・市民連絡会」のメンバーら約30人は1日、医学部キャンパス正門前で、100個の風船を一斉に空に放つ「バルーンアクション」に取り組みました。

 BSL4施設が完成すれば、1時間に2万7000立方bの排気が常時排出されることが想定されています。同会は、医学部キャンパスから風に乗ったウイルスがどのように、どこまで飛ばされるのか風船を飛ばして実感してもらおうと企画しました。この日、風船は浦上天主堂のある北の方向に飛んで行きました。風船には同会のメールアドレスと電話番号、趣旨などが書かれたカードが結びつけてあります。

 医学部キャンパスに近い銭座町に住む藤美智子さん(60)は「市長は世界に向けて平和を発信しているが、本当の平和は市民を守ることではないのか。施設が稼動したら引っ越したいと思っているぐらいで、家を出た子どもが戻ってきたいと言っているが『来ない方がいい』と話している」と悔しい思いを口にしました。