「しんぶん赤旗」2018/12/31
渡辺千恵子さん体験学ぶ講演会 県原水協
 長崎県原水協は21日、「長崎原爆乙女の会」創立メンバーで、原水爆禁止運動に力を尽くした故・渡辺千恵子さんについての講演会と交流会を長崎市内で開きました。

 長崎総合科学大学の木永勝也准教授が講演。16歳の時、学徒動員先の工場で被爆し、下半身不随となり10年間寝たきりだった渡辺さんが、社会と接点を持つようになり、「車いすの被爆者」として世界で被爆体験を語るようになっていく様子を原水爆禁止運動の歴史とともに紹介。「被爆当時の『あの日』の体験だけではなく、苦しみがずっと続き積み重なった10年、20年を、被爆者がどうやって生きてきたのか。その体験が持つ意味をもう一度考えないといけないのではないか」と問いかけました。

 何度も渡辺さんの自宅を訪問したという長野靖男さん(75)は、渡辺さんが「人間は仲間の中でしか生きられない」といつも語り、「原水爆禁止運動は必ず世界を動かし核廃絶に向かうと確信している」と思い出を語りました。

 高校生ら青年も参加。「原爆乙女の女性たちが共感しあうだけではなく、その思いを運動に変えていったことがすごいと感じた」などと発言しました。