「しんぶん赤旗」2018/12/9
人格権侵害と認定 長崎地裁広告会社パワハラ訴訟
 長崎市の広告制作会社「プラネットシーアール」に勤務する男性(46)が、上司(当時)から受けたパワーハラスメントと長時間労働によって精神疾患を患い休職に追い込まれたとして、同社と上司などに損害賠償などを求めた訴訟の判決が7日、長崎地裁でありました。土屋毅裁判官は男性の訴えを認め、損害賠償や未払い賃金など約2000万円の支払いを命じました。

 男性は2012年3月から同社にデザイナーとして勤務。13年3月に着任した上司から困難な目標達成を求められ、「うそつき、ひきょう、育ちが悪い」などの人格否定の暴言や2時間以上にわたる叱責などのパワハラを受け続けました。その上、月100時間もの残業で自殺を考えるようになり、適応障害と診断され、14年7月から休職を余儀なくされました。16年1月には長崎労働基準監督署から労災認定されました。

 判決で土屋裁判官は「業務指導の範囲を逸脱するいじめ行為と認めざるを得ず、人格権を侵害する不法行為に当たる」とのべました。

 男性は長崎県一般労働組合に加入し、3年に及んだ裁判での勝利。判決後に妻とともに記者会見し、「パワハラを起こす側がよく言う『受け取り方の問題』という間違った認識があるが、人格を傷つける言動に問題があるということが社会全体の認識になってほしい」と語りました。