「しんぶん赤旗」2018/10/12

諫干開門訴訟口頭弁論
漁業被害を立証するための証人尋問へ

 国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防排水門(長崎県諫早市)の即時開門を国に求めて、諫早市と雲仙市の漁業者が起こした訴訟の口頭弁論が9日、長崎地裁でありました。

 原告漁業者側が求めていた漁業被害を立証するための証人尋問と、原告本人尋問について武田瑞佳裁判長は、証人を採用する考えを示しました。

 証人は潮受け堤防閉め切りによる有明海の環境変化についての調査を続けている、熊本県立大学の堤裕明教授と熊本保健科学大学の橋徹教授の二人のほか、被告の国側が「諫早湾干拓と有明海異変との因果関係ははっきりしない」と結論付け、その重要な証拠として提出した環境省の「有明海・八代海等総合調査評価委員会報告書」を取りまとめた国の責任者。さらに、原告漁業者4人です。原告漁業者側が求めた現地調査については以前に行っていることを理由に難色を示しました。

 裁判後の報告集会で、「よみがえれ!有明訴訟」弁護団の峰真弁護士は「有明海の漁業被害は諫早湾干拓と無関係ではなく、解決するには開門しかないということを証人尋問で明らかにしていきたい。そのためにも、世論を盛り上げて傍聴席をいっぱいにしていこう」と語りました。

 次回期日は12月11日です。