「しんぶん赤旗」2018/10/24
トランプ米大統領のINF離脱表明に被爆者5団体が抗議声明
 トランプ米大統領が中距離核戦力(INF)全廃条約から離脱する意向を表明したことに対して長崎県の被爆者5団体は22日、共同でトランプ米大統領宛ての抗議声明を出しました。

 抗議文では、仮に条約から離脱するなら、大国間における緊張関係が高まるとして「これまでの世界の核軍縮の機運は消え、一気に核戦争の危機が高まることが懸念される」と指摘。世界では核兵器廃絶への動きが活発化し、核兵器禁止条約は来年中には50カ国を超える国が批准する見通しがあると述べ、「あなたの行動はこれらの流れと明らかに逆行しており、極めて危険な方向に向かっている」と批判しています。その上で、平和な社会の実現に向け努力することがアメリカ大統領の役割だと主張しています。

 長崎原爆被災者協議会の森内實副会長は「『目には目を歯には歯を』の考え方では解決しない。被爆者として絶対に容認することはできない。また、日本政府は唯一の被爆国として核兵器の脅威を十分わかっているはず。本来なら真っ先にトランプ大統領に対し、抗議の声を上げるべき」だと日米両政府を批判しました。

 被爆者5団体は、県被爆者手帳友愛会、長崎原爆被災者協議会、長崎原爆遺族会、県被爆者手帳友の会、県平和運動センター被爆者連絡協議会。