「しんぶん赤旗」2018/9/26

西日本豪雨災害とダムについての学習会 いしきを学ぶ会

 長崎県と佐世保市が川棚町に計画している石木ダムについて、みんなで考える場をつくろうと「いしきを学ぶ会」実行委員会は22日、河川工学を専門とする今本博健・京都大学名誉教授を招き、長崎市内で学習会を開きました。約70人が参加しました。

 西日本豪雨で愛媛県の野村ダムと鹿野川ダムの大量放流で住宅の浸水被害が起こり、住民が犠牲になったことについて今本氏は「越水するとダムが壊れる可能性があるとの理由で、治水容量の8割に達したら機械的に緊急放流される。このことが住民の命を奪った」と指摘。「越水すれば壊れるというなら、そんな危険なダムはただちに撤去するべき」と強調しました。ダムの建設を優先した治水が河川改修を先送りさせたとして「想定を超える規模の洪水にはダムは役に立たない」と語りました。

 石木ダムに関しては「川棚川は河道整備がすすんでおり、堤防を強化すれば100年に1度の洪水がきても大丈夫」だと述べ、ダム建設についてもう一度立ち止まって考えてほしいと訴えました。

 長崎市内に住む女性(69)は「私たちの意識の中に、ダムがあれば安心との思いがあったが逆だった。ダムに頼りすぎて防災がおろそかになっていることがよくわかった」と話しました。