「しんぶん赤旗」2018/9/29

土曜ひととき 橋本真紀さん(41)被爆者に寄りそいたいと兵庫県から移住

「被爆者に寄りそいともに歩みたい」と、兵庫県西宮市から長崎県に移り住んで1年になります。

 今年夏には初めて原水爆禁止2018年世界大会に参加。「『ヒバクシャ国際署名』をすすめる長崎県民の会」のメンバーとして被爆者とともに舞台に上がりました。「被爆者のみなさんが熱意と信念を持って発言されてきた場所に立てて夢のようでした」と語ります。

 小学生の時に読んだ漫画『はだしのゲン』に衝撃を受け、広島や長崎、被爆者に心を寄せる少女でした。高校卒業後、介護の仕事へ。20歳頃から長崎を度々訪れて被爆遺構を巡り、「いつかは住んでみたい」との思いを募らせていきます。40歳の時、長崎市琴海地区が移住体験者を募集しているのを見つけ、「これだ!」と応募します。3カ月の体験期間を経て定住を決意。再び介護の仕事に就き今は市内中心部に暮らします。

 誰も知り合いのいない中、SNSで「ヒバクシャ国際署名」行動を探しあてて飛び入り参加。「初対面の私にみなさん優しく接してくれました。被爆地での初めての行動に感極り、署名の呼びかけは涙声になってしまった」といいます。それ以来署名行動には欠かさず参加。懸命に訴える姿は被爆者らの共感を呼びました。

 「苦しみながら身を切り語り続けた被爆者の思いを、どうすれば多くの人たちに伝えられるのか」―。思いはあふれます。