2018/02/07
長崎県知事選挙の結果について

                                                     2018年2月6日  日本共産党長崎県委員会

 2月4日投開票の長崎県知事選挙で日本共産党も参加する「民主長崎県政をつくる会」は、無所属新人の原口敏彦候補(党県書記長、共産党推薦)を「つくる会」の候補者として擁立して奮闘しました。結果は力及ばず中村法道候補の3選となったことは、非常に残念です。

 しかし、投票率が4.7%低下する中で原口候補は、2市を除き得票を前進させ前回から約1万票伸ばし、94442票を獲得しました。得票率は全ての市町で伸ばし、23.2%を記録しました。これは、これまでの「つくる会」や共産党公認の知事候補としては最高となり、大健闘しました。

 一方、中村候補は得票は前回より63219票減らし311893票、得票率は4.8%減らし76.8%と大きく後退しました。また全有権者に対する中村候補の得票率は27.2%であり、県民の4分の1の信任にとどまりました。

 日本共産党長崎県委員会はご支持、ご支援いただいた県民のみなさんに心から感謝申し上げます。また、原口候補を支持して奮闘していただいた、「つくる会」内外のみなさん、党員や後援会のみなさんに深く感謝いたします。

 今回の選挙で中村候補は「投票率45%、得票45万票」を掲げました。しかし、投票率は史上最低だった前回をさらに4.7%下回り、36%と最低を更新しました。中村陣営は「投票率を上げる」と言いながら、青年会議所主催の討論会や、ある新聞が企画した「紙上討論」会を拒否し、今回は候補者2人が直接討論する場がありませんでした。投票率の低下については様々な要因がありますが、現職知事による「討論回避」もその一要因であることを厳しく指摘したいと思います。

 民主長崎県政をつくる会」は前回の知事選以来、県政について考える学習会・集会を重ね、県政の問題点を厳しく指摘してきました。重要な問題については、県に要請を行うなど、県民の声を届ける努力を続けてきました。こうした取り組みを通じて、「新幹線など大型事業中心から県民の暮らしを支える県政へ」「石木ダム、諌早湾干拓など県民無視から、県民の声を聞く県政を」「核兵器禁止条約への調印を政府に求め、九条改憲に反対する知事を」めざし、今回の選挙に候補者を立ててたたかうことにしたのです。

 県政の転換をめざす私たちの訴えと政策は、多くの県民の心に響くものだったと確信しています。「人家を強制収用してのダムは止めてほしい」「全ての教室にエアコンを設置してほしい」「医療費助成が高校生まで拡充されるのを切望する」「新幹線より地域経済をよくする対策を」などは、県内の多くの人たちの切実な声となりました。この選挙で掲げた公約については、今後ともその実現のために、県民とともに努力を尽くしたいと思います。

 また、「民主長崎県政をつくる会」のビラや原口候補の演説を見聞きし、「初めて県政の事が分かった」「こんなに税金のムダ遣いをしているか」などの声も、多数寄せられました。「県民所得は下がり人口減は九州一」など、長崎県政の実態を広く県民に知ってもらう点でも、今回の選挙は大きな意義がありました。

 選挙結果で特徴的なことは、「石木ダム」の予定地である川棚町で、「ダム建設中止」を訴えた原口候補の得票が30%を超えたことです。また、長崎新幹線の終点である長崎市でも30%以上でした。知事がすすめようとしている石木ダムや長崎新幹線について、多くの市民が疑義を持っていることが示されました。

 また、石木ダムとカジノ誘致の当該自治体である佐世保市での原口候補の得票は、昨年の衆院選での共産党比例票の3.5倍と、きわだった広がりを示しました。

 こうした事態に選挙後知事自身が「(原口氏が)政策転換を主張していた九州新幹線西九州(長崎)ルートや国営諫早湾干拓、石木ダムなどの大型プロジェクトに反対し、事業が不要と考えている有権者の意思が得票として表れた可能性はある」(6日付け西日本新聞)と、語らざるを得なくなっています。結果を重く受けとめ、関係住民の意見に耳を傾けることを、中村知事に強く要請します。 

 今回の選挙は「市民と野党の共闘」が全国的な流れになる中での、初めて県知事選挙となりました。政党間の共闘は残念ながら実現できませんでしたが、この間の「市民と野党の共闘」で培われた力と精神が様々な形で発揮されたことは重要でした。憲法学者の小林節慶大名誉教授らが応援メッセージを届けてくれたのは初めてでした。また、無党派の市民のみなさんが、様々な形で選挙に協力してくれました。若者たちは勝手連をつくり、ポスターやビラを新しい視点でつくったり、SNSの活用などでメディアからも注目されました。

 このような運動と流れを反映し、原口候補(共産党推薦)の得票は昨年の衆院選で共産党が獲得した比例票の2.7倍と、共産党支持者の枠を超えて大きく広がりました。他方、中村候補は自公の比例票から1.7万票後退しました。

 

 県政を大元から変える力は長崎県における「市民と野党の共闘」しかありません。私たちは、今回の選挙を教訓にして、長崎県における「市民と野党の共闘」の実現をめざし、引き続き努力する決意です。

 改めてこの間のご支援に感謝するとともに、「民主長崎県政をつくる会」と日本共産党は、今後も県政をしっかり監視し、県民みなさんの願いの実現と県民本意の県政めざし奮闘する決意です。

 来年は統一地方選挙と参院選が行われます。知事選での躍進を力に、日本共産党は議席と得票の前進をめざし、直ちに活動を開始いたします。今後とも、日本共産党へのご支援とご協力を心からお願いいたします。