「しんぶん赤旗」2018/01/14
ダム建設不安と怒り 石木ダム県は話し合い再開を

 長崎県と佐世保市が川棚(かわたな)町に計画している石木ダム建設事業。建設に反対している地元住民や支援者らでつくる「石木ダム建設絶対反対同盟」など6団体の約40人が12日、県庁で中村法道知事に対し、地元住民との話し合いを再開するよう申し入れしました。

 要請文は、民間団体が行った石木ダムに関する長崎県民意識調査の結果「説明が不十分」との回答が8割にのぼり、県民に理解されていないと指摘。このままでは県民を無視して行政代執行へ進んでいくとして、問題解決のために知事と住民の話し合いの再開を求める―などとしています。

 中村知事は公務を理由に出席せず、対応した吉田慎一土木部次長は「要請は知事に伝えるが、裁判中の問題を法廷外で話すというのは適切でない」と切り捨てました。

 地元住民からは「いつまで話し合いに応じないつもりか。納得いかない」などと怒りの声が相次ぎました。吉田次長は文書での回答を求められ、「回答するかどうかも含めて検討する」と誠意のない対応に終始しました。

 申し入れ後、川棚町川原郷の炭谷猛総代は「希望は捨てていない。私たちには県民・国民の世論がついていることを知事がきちんと見て判断を出し切るかどうかだ」と語りました。