「しんぶん赤旗」2018/1/12
長崎知事選18日告示 暮らしの願い原口さんへ
大型公共事業優先に反対

 18日告示、2月4日投票の長崎県知事選挙は、「民主長崎県政をつくる会」の原口敏彦(56)=無所属新、日本共産党推薦=と3期目をめざす中村法道(67)=無所属現、自民党推薦=との一騎打ちとなる見通しです。安倍政権いいなりの自民県政か、県民と共同でつくる新しい県政への転換かが問われています。

 

 2期8年の中村県政は県民の声には耳をかさず、大型公共事業を強引に押し進めてきました。

 長崎新幹線は総事業費5000億円。しかし、前提としていたフリーゲージトレイン完成の見通しが立たず、事業費倍増のフル規格へ転換しようとしています。県民からは時間短縮の効果もうすい新幹線より、県民の足である地域の公共交通網の充実を求める声が上がっています。

 285億円をかけて建設予定の石木ダムでは、13世帯53人の地元住民の土地や家屋を強制収用して、建設を強行しようとしています。年々人口が減少している佐世保市の水需要が急増すると、根拠のない予測に基づくもので、県民の批判が集中。事業の中止を求めて住民や支援者が裁判を起こしています。

 諫早湾干拓事業では潮受け堤防締め切り後、有明海で漁ができなくなった漁民たちの声に背を向け、かたくなに開門に反対しています。

 新県庁舎建設には433億円を投入。海辺の埋立地に建設し「津波が来たら大丈夫なのか」と不安の声が上がっています。市民団体からの反対の声を無視し、ハウステンボスへのカジノ誘致も強行しようとしています。大型公共事業優先の結果、人口減少率は九州一(5年間で5万人減)、県民所得は38位から45位へと後退し、長崎県政は先細りしています。

 中村知事は「9条について一切手を触れてはならないんだという考え方は持っていない」と発言。「安倍9条改憲に反対」の声をあげる被爆者の怒りをかっています。

九州一の低水準

 県の乳幼児医療費助成制度は就学前までにとどまっています。すべての市町は独自に上積みしており「県として助成の拡充を」との願いには応えようとしません。学校普通教室のクーラー設置率は九州で一番低く、わずか8・6%。福祉、教育に冷たい県政です。

 原口氏は「自由に使える財政調整基金は53億円。石木ダムや新幹線などムダな公共事業をやめて、県予算をくらし応援へ」と訴えています。

 「子育て日本一をめざし、県民の声を聞く県政へ、被爆地ナガサキの心をつらぬき安倍9条改憲を許さない!」を掲げる原口氏は▽子ども医療費は高校卒業まで助成▽30人以下学級を全学年で、全学校教室にエアコン設置▽国保税の引き下げ▽長崎新幹線は直ちに凍結▽石木ダムの工事中止。諫早湾干拓の排水門を開放し防災と漁業、農業の両立めざす▽玄海原発再稼働中止やオスプレイ県内配備ストップ、核兵器禁止条約の調印を国に求めていく。と公約しています。

広がる共感の声

 九州電波監理局職員を経て民主青年同盟の専従職員になった原口氏は、平和公園での署名活動、原水禁世界大会など青年のリーダーとして活躍しました。「平和と核兵器廃絶を求めて活動することが原点」と語る原口氏は戦争法反対など、市民と野党の共同で安倍政権を倒すため頑張ってきた日本共産党県書記長でもあります。

 今回、「民主長崎県政をつくる会」から無所属での出馬に、多くの市民から共感の声が寄せられています。若者たちでつくる「勝手連」は、ビラのデザインやSNSを活用した宣伝などにアイディアを持ち寄り、「私たちの願いをかなえてくれる知事を必ず」と、原口氏の勝利に向け力を発揮しています。