「しんぶん赤旗」2017/12/21
危険なウイルス扱う施設 長崎市長に設置中止要請

 長崎大学が「エボラ出血熱」など最も危険なウイルスを扱うバイオセーフティレベル4(BSL4)施設を、住宅密集地にある坂本キャンパス(長崎市)に設置しようとしている問題で「BSL4施設設置の中止を求める自治会・市民連絡会」(山田一俊会長)は19日、市役所で田上富久市長に、設置容認の撤回を求めました。

 田上市長は昨年11月、国との面談後、それまでの「設置には安全性の確保と住民の理解が大前提」との発言から一転、県とともに設置を容認しました。地元住民らが「市長の気持ちの中に『住民の理解と合意』ということはなかったのか」と質したのに対し、「市民の理解と安全性の確保は、現在も施設の設置後も重要」と述べ、設置を前提にした答弁に終始しました。

 住民からは「なぜ設置ありきなのか。住民は納得していない。反対署名が1万6000を超えているのに、住民の合意が取れたというのはどうやって証明できるのか」「撤回して立ち止まるべき」と厳しい声が相次ぎました。住民らが、坂本地区に来て地域住民と話し合ってほしいと求めたのに対し市長は「分かりました」と同意しました。