「しんぶん赤旗」2017/12/8
石木ダム訴訟担当者尋問 長崎地裁

 長崎県と佐世保市が川棚(かわたな)町に計画している石木ダム建設は、著しく公共性を欠き違憲・違法であるとして、反対地権者109人が国に事業認定取り消しを求めた行政訴訟の第10回口頭弁論が5日、長崎地裁で開かれ、治水面の責任者である県河川課企画官の証人尋問が行われました。

 尋問では、県はダム事業の計画規模を定める際に河道の状況のみ1975年時点のものを使い、その他の人口、資産額などは直近の統計資料を使っています。地権者側弁護団が「同じ年度のものを使うべきでは」と質したのに対し、「県ではそういうやり方はしていない。すべきとも思わない」と無責任な回答を繰り返しました。

 また、同弁護団は100年に1度の大雨が降っても、県の計画通りに河道整備をすすめれば、石木ダムがなくても氾濫は起きないと指摘しました。

 この日、真島省三前衆院議員も裁判に駆けつけ門前集会で、「治水の問題で国土交通大臣に質問したが、大臣は裁判中だからと一切の答弁を拒否した。これからもみなさんと一緒に頑張っていきたい」と発言しました。

 裁判後の報告集会で地権者の石丸キム子さんは、「強制収用するような大きな事業なのに、県が自分たちの都合に合わせた数値を使って進めてきたことにあらためて腹が立った」と悔しさをにじませました。

 次回12月25日は利水についての証人尋問です。