「しんぶん赤旗」2016/09/24
長崎社会保障推進協議会総会 藤田孝典さん記念講演
貧困の実態を伝えよう

 長崎県社会保障推進協議会は第c回定期総会記念講演を18日、長崎市内で開き、125人が参加しました。

 「下流老人と貧困世代〜全世代が貧困と向き合う時代を生きる〜」と題して、藤田孝典氏(聖学院大学客員准教授・NPO法人ほっとプラス代表理事)が講演しました。

 『下流老人』の著書で知られる藤田氏は、首都圏で生活困窮者の支援を行う活動とともに、大学・大学院で貧困についての研究を行っています。

 藤田氏は「今の日本の高齢者の4〜5人に1人は貧困であり『下流老人』と言われる生活保護基準相当で暮らす高齢者は700万人いると類推されるが、それを補う社会保障がなさすぎる」と指摘。「一方社会の担い手である若者も、労働環境悪化で普通の暮らしができない状況で自殺率も高い。日本はちょっとしたきっかけで貧困に陥る『貧困大国』」と強調しました。

 その上で「多くの市民に貧困の実態と、政治が今の貧困を作りだしていることを分かりやすく伝えることが大切。そのためにもITを活用した情報発信など、ソーシャルアクション(社会保障運動)を続けていく。あきらめずに声を上げ続けることで変えられる」と訴えました。