「しんぶん赤旗」2016/09/10
長崎・石木ダム裁判
全審理が終結し、年内めどに判断

 長崎県と佐世保市が川棚町に計画している石木ダムをめぐり、反対地権者ら504人が県と市に対して、ダム関連工事の差し止めを求めた仮処分申し立ての第3回審尋が8日
、長崎地裁佐世保支部でありました。この日で全ての審理が終結し、年内を目途に判断が示されます。

 終了後、報告集会が、約80人の参加で開かれました。地権者らは「必要のないダム事業によって人格権が侵害されている。工事の必要性を県や市が主張するのであればきちんと反論し、不明瞭な点を明らかにするべき」と主張していましたが、県や市はそれに対する反論すら行いませんでした。

 弁護団の平山博久弁護士は、判断が12月末までとなったことについて、「裁判所は門前払いではなく、時間をかけて一人一人について判断をするつもりでは」と述べました。

 集会参加者からは「佐世保市民や長崎県民に、この石木ダムがいかに無駄な事業かということを広げることが大事」との声が上がり、弁護団も「様々な方法で、いかに世論を盛り上げていくかがカギである」と強調しました。

 最後に反対地権者の岩下和雄さんは、「今日は地権者も一杯で参加したかったが、現地での工事阻止行動のため全員は来られなかった。しかし、たくさんの方々に支援に来ていただけた。今後ともよろしくお願いいたします」と訴えました。

 日本共産党から山下千秋佐世保市議、久保田和恵川棚町議、仲村吉博佐々町議も参加しました。