「しんぶん赤旗」2016/02/17
有明海再生へ開門を
長崎・漁民ら農水省と意見交換
 国営諫早湾干拓事業潮受け堤防排水門(長崎県諫早市)の開門をめぐり、「よみがえれ!有明訴訟」原告・弁護団は16日、農林水産省と意見交換を長崎市で行いました。

 開門をめぐっては長崎地裁が開門せずに国が開門に代わる有明海再生事業を充実させ、漁民に解決金を支払うという和解勧告(1月18日)を出しています。

 意見交換で堀良一弁護士は「私たちの主張は、完全に無視された。開門せず、金で解決しようとするもので、漁民に対して和解から閉め出すもの」と批判し、「裁判所の認識が間違っているので、和解協議の場で正さなければ」と話しました。

 国側が「和解協議を大事にしていきたい。有明海再生の措置を進めたい」とのべると、馬奈木昭雄弁護団長は「有明海再生の措置は10年やってきて何も変わらなかった。開門に代わる措置がある訳がない」と強調し、「(再生事業に)新しい案があるのか」と追及しました。

 国は再生事業に効果があると繰り返しました。馬奈木氏は「再生事業の中で、開門だけはやっていない。再生事業と開門の両方やろうというのは矛盾するのか」と話しました。

 漁民からは、堤防からの排水が原因と見られるノリの被害の訴えがありました。小長井漁協(諫早市)の松永秀則さんは「行政の言う振興策はやりつくした。私たちを説得させる案を出してほしい」と訴えました。