「しんぶん赤旗」2015/11/11
諫早湾干拓開門差し止め仮処分
国の異議申し立て退ける
長崎地裁決定
 国営諫早湾干拓事業潮受け堤防排水門(長崎県諫早市)の開門差し止めの仮処分決定(2013年11月)に対して国が取り消しを求めた裁判で10日、長崎地裁(松葉佐隆之裁判長)は国の異議申し立てを退ける決定をしました。

 「よみがえれ!有明訴訟」弁護団は同日、報告集会を長崎市内で開き、馬奈木昭雄弁護団長は、国に開門を命じる福岡高裁判決(2010年12月)の「開門義務は変わることがない」と強調しました。

 決定では、営農者の被害を@塩害A潮風の害B農業用水の一部喪失―の3点をあげていますが、馬奈木氏は「あたかも特別な被害が出ているかのように言っているが、被害が出ないよう対策工事を行うことが必要」と指摘。「解決に向かう道はただ一つ、国が態度を変えるべきだ。二者択一の漁業か農業かではなく、防災も含め全部を成り立たせることが国の責任」とのべました。

 漁民の平方宣清さんは「長崎県と営農者と漁民がなぜ、対立しなければならないのか。堤防閉め切り以降、組合が維持できなくて後継者がいない。国は、今までの態度を変えてほしい」と話しました。