「しんぶん赤旗」2015/06/25
“権力で土地奪うな”
長崎・石木ダム工事 住民と県攻防
 長崎県と佐世保市が川棚町・石木川に計画している石木ダムで、ダム建設に向けた付け替え道路工事をめぐり、県と反対する住民・支援者らは連日攻防を続けています。

 県は、12日の午前5時に反対住民の隙を狙って現場に入り、5年ぶりとなる付け替え道路工事を再開しました。以来、本格的な工事に入るため、日曜日を除く毎日午前7時から午後5時までの間、工事強行を狙い、反対住民らは、現場入り口に立ち塞がり、無言で抗議の意思を示しています。

 県は23日も、工事現場の正面ゲート前で「こちらは法的根拠に基づいてやっている。そちらも法的根拠をとっても構わない。通してください」とのべ、工事を強行しようとしましたが、住民の根強い抗議によって阻まれました。

 地権者の女性は「県側は『補償交渉以外の話し合いはできない』と言っている。住民の声を聞いてほしい」とのべ、「権力で強引に土地を奪えるのか。民主主義に反したことはやめてほしい」と怒りを込めました。

 県収用委員会で22日に強制収用できる裁決を出したことが地元紙(23日付、長崎新聞)で報じられ、県用地課は「現段階では公表できない」として否定していますが、緊迫した事態となっています。