「しんぶん赤旗」2015/04/12
被爆者ら長崎市長に抗議
放射線影響研の資料一部削除
 長崎の被爆者5団体と長崎の「被爆体験者」関係の4団体は10日、市が長崎市原子爆弾放射線影響研究会の配布資料の一部を削除したことについて、田上富久長崎市長に抗議しました。

 問題となっているのは、3月31日の市原子爆弾放射線影響研究会の第4回研究会に配布された静間清・広島大学特任教授の資料。「長崎原爆では爆心地から6・7キロ付近が被爆指定地域とされているが、推定被ばく線量は6・7キロの内側と外側では変わらない、従って、被爆地域指定を6・7キロとすることは適切でない」「また、拡大是正要望地域は約12キロまでとなっているが、12キロの内側と外側で推定被ばく線量は変わらない。従って、拡大是正要望地域は16キロまでとすることが適切である」との記述を市が事前にチェックし、「適切でない」としたことによって、記述の一部が削除されたものです。

 9団体は6日に市に抗議し、謝罪と撤回を求めました。しかし、対応した市原爆対策部長などは「傍聴者にも分かりやすい文書にするために修正をお願いした」との答弁に終始。今回の市長との面談となりました。

 被爆者団体は「謝罪して文書を戻すべき」と求めました。田上市長は謝罪せず、「隠す意図はなかった」などとのべることにとどまりました。