「しんぶん赤旗」2015/02/20
ステルス揚陸艦配備
沖縄と一体で機能強化
基地配備反対を要望・長崎
日本共産党北部地区委
 米海軍は19日、サンアントニオ級ドック型揚陸艦グリーン・ベイ(全長209メートル、排水量約2万5300トン)を米海軍佐世保基地(長崎県佐世保市)に配備しました。同艦は敵のレーダーに捕捉されにくいステルス性を有しており、“ステルス揚陸艦”ともいわれます。

 沖縄に配備されている米海兵隊を戦地に送り込む強襲揚陸艦隊の増強になり、沖縄・佐世保双方の基地機能強化につながる動きです。同艦のマッカラム艦長は同日の記者会見で、「グリーン・ベイの配備は強襲揚陸艦部隊への手ごわい能力の追加になる」と強調しました。

 交代したドック型揚陸艦デンバーと比べて、同艦は全長が38メートル、排水量で8000トン以上も大型化しており、佐世保の主力艦である強襲揚陸艦ボノム・リシャール(257メートル、4万トン)に次ぐ、準強襲揚陸艦といえるものです。

 飛行甲板は、沖縄に配備されているMV22オスプレイ2機が同時に離着陸でき、艦内に1機収納できます。

 マッカラム艦長は、「沖縄の第31海兵遠征隊の輸送・戦闘支援がグリーン・ベイの最優先任務だ」と指摘。別の乗組員は「近く沖縄に展開し、オスプレイを搭乗させることになる」と述べました。

 沖縄県名護市辺野古に建設が狙われている米海兵隊新基地には、272メートルの岸壁建設が計画されており、グリーン・ベイも接岸が可能となります。辺野古の新基地建設にも直結した動きです。

 また、隣接する佐賀空港(佐賀市)に自衛隊オスプレイが配備された場合、同艦を使用した日米共同演習など、いっそうの軍事一体化が進む危険があります。



 日本共産党長崎県北部地区委員会(石川悟委員長)の5人は19日、最新鋭揚陸艦グリーン・ベイの佐世保米軍基地配備について、朝長則男佐世保市長に宛て、反対の表明などを要望しました。

 要望は、@グリーン・ベイ佐世保配備に反対を表明するA集団的自衛権行使容認「閣議決定」撤回と法整備作業の中止を政府に求めるB「戦争する国づくり」の国策協力は改める―の3点。石川氏が要望を読み上げ、末竹健志副市長に手渡しました。

 山下千秋市議は「単純な交代配備ではない。オスプレイを3機搭載できる準揚陸艦の機能を備えた艦船が配備された」と指摘し、佐世保米軍基地の増強は、沖縄・辺野古新基地建設との関連があることを強調。「日米共同の戦争の足場にさせられる。佐世保市民も願っていないこと」として、何でも国策に協力する姿勢を改めるよう、ただしました。

 末竹氏は「通常の艦の交代として捉えている」とのべる一方、オスプレイに対しては、「配備が正式に決まったら、政府にどういう運用をするのか説明を求めたい」と話しました。

 石川氏は「戦後70年の節目のときに、地方自治体として物を言っていくべきときではないか」とのべ、配備反対を再度求めました。