「しんぶん赤旗」2014/07/10
病原体実験施設やめて
長崎大学に市民の会要求
 長崎大学が「病原体実験施設」の建設を長崎市内に計画している問題で、「くらしと地域を考える長崎市民の会」(吉田省三代表委員・長崎大学経済学部教授)は8日、長崎大学の調査費概算予算申請に抗議の申し入れをしました。

 計画は、感染すると致死性が高く治療法も確立していないエボラ出血熱ウイルスなどの病原体を国外から持ち込んで扱うBSL―4(バイオセーフティレベル4)施設を約2万人が暮らす人口密集地にある同大学医学部・坂本キャンパスに造ろうというもの。

 申し入れは、6月24日の同大学内の役員会で1780万円の調査費概算予算申請が正式決定されたことに抗議し、申請撤回を求めたものです。この間、大学側は「住民の理解が前提」としながら、市民の会の要請と市民からの署名(提出署名1784人分)を無視する態度を取り続けています。

 大学側は、今回も報道の取材を拒否しましたが、市民の会の抗議で取材に応じました。大学側は「申請は7月中旬をめどにしているが、大学全体で検討を続けている」とのべました。市民の会は「閉鎖的で市民に分からない形での進め方はやめてほしい」とオープンな論議を要求しました。