「しんぶん赤旗」2014/06/19
廃業・解雇は一方的
おおとり運送 元労働者が陳述
地裁佐世保支部
 長崎県佐世保市の「おおとり運送株式会社」(2013年5月廃業)の労働者13人が起こした解雇撤回訴訟の口頭弁論が16日、長崎地裁佐世保支部(森岡礼子裁判長)であり、元労働者が意見陳述しました。

 おおとり運送は、同社を実質的に支配する鷹島建設の椎山賢治会長(松浦市議)により解散させられました。椎山氏は、法人格が形式上別であることを乱用して、おおとり運送の負担で鷹島建設の利益を増大させ、おおとり運送の経営状態を悪化させた上で、その経営状態悪化を口実に、創業79年のおおとり運送を通知の紙切れ一枚で廃業させました。一方的な解雇を許さないと、労働者が解雇撤回と損害賠償を求めて争っています。

 意見陳述で、元労働者の一人(33歳の男性)は椎山氏は当時現場にも出ず、経営者の体をなしていなかったと批判。会社を残したいと必死に働いていた仲間の努力を紹介し、「一方的に従業員の話も聞かず、団体交渉にも出なかった椎山氏に経営者の責任を果たしてほしい」と訴えました。

 原告側の山本一行弁護士も意見陳述し、12年のおおとり運送の売り上げは3000万円近く、15%も伸ばしており、廃業を考える状況になかったと指摘。当時のおおとり運送が必要のないクレーンの購入・売却を強いられ、売却益は吸い上げられ、代金の支払いのみが残る状況が続いていたことについて、山本氏は、クレーン売却代金とその使い道などを被告に答弁するよう求めました。