「しんぶん赤旗」2014/06/12
長崎県は仲介役果たせ
諫早湾開門へ漁民ら宣伝
 国営諫早湾干拓事業潮受け堤防排水門(長崎県諫早市)の開門をめぐる問題で、国に対する間接強制猶予期限の11日、「よみがえれ!有明訴訟」を支援する全国の会は長崎市で、早期開門を求めてデモや街頭宣伝などを行いました。

 開門を求める原告漁民と弁護団は、長崎県庁を訪れ、中村法道知事に宛てた「開門問題において、調整役としての本来の責務を果たすこと」を要請した文書を諫早湾干拓課に申し入れました。しかし、県は室外の廊下で受け取る対応を示し、正式な対応を求める弁護団とのやり取りで、一時騒然となりました。交渉後、漁民と支援者らは県庁を包囲し、宣伝。小長井漁協(諫早市)の松永秀則さん(60)は「開門したくないのは、自分たちのウソがばれるからだ」と指摘し、漁民らは口々に県の対応を批判しました。

 県庁での宣伝後、約50人が市の中心街をデモ行進し、「宝の海を返せ」「開門して有明海の再生を」と唱和しました。

 デモ後、再び街頭宣伝を行い、「漁業者を見捨て、法律を守らず、聞く耳を持たない長崎県政」と批判したビラを配布。堀良一弁護士は「漁業被害が年々激しくなっている。長崎県は今ある漁業被害を直視し、今こそ仲介役を果たすべきだ」と訴えました。