「しんぶん赤旗」2014/06/04
ひと
不登校経験生かし、発信
古豊 慶彦 さん(26)
 長崎各地の不登校・ひきこもり経験を持つ青年らが、当事者や親に向けて創刊した情報誌『今日も私は生きてます。』の編集部の発起人です。

 A4判86ページに当事者の手記や経験談、県ひきこもり地域支援センターの情報などを掲載しています。

 「編集など何もかもが初めての経験で完成まで4、5カ月かかりました。現在でも不登校やひきこもりに対する理解が薄いので、問題を発信していくことができれば」と明るく活発に話します。

 編集部は、20代前半〜40代前半の青年9人。みんな不登校・ひきこもり経験者ですが、経歴・経緯は十人十色。情報誌は仲間とつながるきっかけとなり、表紙の絵や挿絵を描いた南島原市の女性(23)もそうやって知り合った仲間の一人です。仲間と知り合う中心に情報誌がありました。

 1987年生まれ。中学校と高校で不登校経験があり、それが原因で進学校を中退。しかし、大検の資格を取って、京都の大学を4年間で卒業しました。その後、学童保育の仕事に就くも上手くいきません。そんな中、不登校の子どもたちへの訪問活動がきっかけとなって、情報誌の発刊に力を入れ始めました。

 「家族で回し読みしてほしい」と紙媒体にこだわった理由を述べます。「読んでいてつらくなる人もいると思う。そんなときは、本を破ってもらって構わない。感じたことを教えてほしい」と語ります。
 文・写真 村ア 利幸