「しんぶん赤旗」2014/05/22
諫早開門あらゆる努力を
訴訟原告団が集会
農水省の対応批判
 国営諫早湾干拓事業潮受け堤防排水門(長崎県諫早市)の開門をめぐり「よみがえれ!有明訴訟」の原告団と弁護団は21日、諫早市内で、早期開門を求める集会と、農林水産省との意見交換を行いました。

 開門しない場合、1日49万円の制裁金の支払いを国に求めた佐賀地裁の間接強制決定の開門期限(6月11日)が3週間後に迫っています。しかし、農水省は開門に向けた準備工事や長崎県との協議に手をつけていません。

 集会には約70人が参加。公害訴訟の水俣病、石木ダム、玄海原発訴訟の3団体が連帯のあいさつをしました。

 意見交換会では、原告団が準備工事への着手については法律上も契約上も何ら制限はないのになぜ開門しないのか、開門差し止め仮処分決定に対し執行停止をなぜしないのか、などを問いましたが、農水省側はまともに応えず、開門を先延ばしにする態度に終始しました。堀良一弁護団事務局長は「制裁金を課せられてもなお漁民の方を苦しめ続けるのか」と厳しく批判。「開門義務の履行にあらゆる手段をとる努力をしてほしい」と要求しました。

 参加した漁民からは「何人漁民が死ねば開門するのか」との悲痛な思いも語られました。小長井漁協の松永秀則さん(60)は「開門しないのは干拓事業の失敗を認めたくないから。失敗を認めてやり直せばいい。それが国の責任だ」と述べました。