「しんぶん赤旗」2014/04/25
告発 基地は今佐世保(中)自衛隊
日本版“海兵隊”の編成
 佐世保は海上自衛隊の海外派兵の拠点でもあります。湾岸戦争後のペルシャ湾での機雷掃海に、アフガン戦争でのインド洋洋上給油とその護衛に多数の海自艦艇が出港しました。そして現在もソマリア沖の「海賊対処」に護衛艦が派遣されています。またイージス護衛艦3隻が配備され、「ミサイル防衛」など日米共同作戦の拠点ともなっています。

「水陸機動団」を

 一方、陸上自衛隊については「水陸機動団」の拠点化が急浮上しています。昨年12月17日、安倍内閣は今後約10年の基本方針である「新防衛大綱」を閣議決定しました。従来の「節度ある防衛力を整備する」との表現が消え、陸海空3自衛隊を一体的かつ迅速に運用する「統合機動防衛力」を掲げました。その一つとして中国の最近の行動を念頭に、離島への侵攻を想定し、「上陸・奪回・確保するための本格的な水陸両用作戦能力」を備えた「水陸機動団」=日本版海兵隊が18年度までに新設されることになりました。

毎年渡米し訓練

 水陸機動団は三つの連隊と「水陸両用車部隊」から構成され、最大で3000人規模になると報道されています。中核となる第一連隊700人は相浦駐屯地の西部方面普通科連隊の改編によるものです。もともと海兵隊的性格を有する部隊として02年に発足、その半数がレンジャー資格(山中での生存自活能力や対ゲリラ作戦など過酷な教程修了者)を有します。06年からは毎年渡米して直接、米海兵隊から強襲揚陸の手ほどきを受けてきました。最近ではオスプレイにも搭乗、米軍との相互連携訓練も行われ、共同作戦を実行できる能力を着実に備えてきています。

 すでに3月26日には相浦駐屯地内に水陸両用作戦を担う人材の育成を行う「西部方面普通科連隊教育隊」(26人)が発足しました。来年3月には「水陸機動準備隊」が新設され、専用の訓練施設の建設も始まり、まさに日本版海兵隊の編成が本格化します。