「しんぶん赤旗」2014/02/14
被爆地域拡大協議会
健康被害軽視発言の2専門委員
市は選任の再検討を
 長崎被爆地域拡大協議会の峰松巳会長ら11人は13日、長崎市原子爆弾放射線影響研究会に選任した専門委員2人が適任ではないとして、市に選任の再検討を求めて申し入れました。

 問題となったのは、神谷研二広島大学教授と高村昇長崎大学教授です。当時、長崎大学の教授だった山下俊一氏とともに福島原発事故による放射線を「100ミリシーベルト以下であれば問題ない」と現地で発言し、放射線被害を受けた住民から被害を拡大させたとして福島、東京地検に告訴されました。東京地検は不起訴としたものの、同協議会は「低線量被ばくの健康被害を軽視・無視する発言を繰り返す、最もふさわしくない人選」と指摘。神谷・高村両氏を専門委員に選任した理由を明らかにすることと、選任の再検討を求めました。

 応対した市原爆対策課が「報道で告訴されたことは知っていたが、詳細を把握していなかった」と話すと、同協議会は「原発の『安全神話』を推進した側の責任は重大。研究会で誤った認識を広め、被爆地域拡大是正を根こそぎ否定される可能性がある」とのべ、市に早期の回答を求めました。

長崎市原子爆弾放射線影響研究会 原爆被爆者援護行政の施策の推進のため、医学、物理学、疫学の専門家で構成される研究機関。委員は6人で、開催は年に1回程度。低線量被ばく、内部被ばく、被爆二世への影響など原爆の放射線による人体への影響に関する研究全般を対象とします。