「しんぶん赤旗」2014/01/10
開門差し止め国が異議
諫早「制裁金」も争う構え
 国営諫早湾干拓事業潮受け堤防排水門(長崎県諫早市)の開門をめぐり、国は9日、開門差し止めを命じた長崎地裁の仮処分決定(2013年11月12日)に異議を申し立てる手続きを行いました。また、「よみがえれ!有明訴訟」の原告・漁業者らが開門するまで国に制裁金の支払いを申し立てた間接強制についても、認めないよう求める新たな裁判を同日、佐賀地裁に起こしました。

 国は、開門を命じた福岡高裁確定判決(2010年12月)を昨年12月20日の期限までに履行しなかったため、漁業者らが国に1日1億円の制裁金を払わせる間接強制を佐賀地裁に申し立てていました。国は、長崎地裁の開門差し止め仮処分決定を福岡高裁確定判決不履行の理由としていますが、国が主張すべき漁業被害を主張しなかったために下りたもので、開門を求める漁業者らから批判を集めています。

 国は、引き続き話し合いによる解決を呼びかけるとしています。しかし、開門に反対する干拓地の営農者は、国が仮処分への異議を申し立てたことへの対抗措置として、1日1億円超の制裁金支払いを求める間接強制を来週にも長崎地裁に申し立てる構えを見せています。