「しんぶん赤旗」2014/01/09
回答避ける国を諫早原告団批判
開門で農水省交渉
 諫早湾干拓事業潮受け堤防排水門(長崎県諫早市)の開門をめぐって「よみがえれ!有明訴訟」原告・弁護団は8日、開門実務を担う農林水産省幹部らと長崎市で交渉し、次回30日、東京での交渉に林芳正農水大臣の出席を要請しました。

 国が、福岡高裁確定判決(2010年12月確定)の命じた開門期限(2013年12月20日)を守らず、謝罪もしない憲政史上初の異常事態に、「有明訴訟」原告・弁護団は、昨年12月24日に佐賀地裁に国から1日1億円の制裁金を払わせる間接強制(24日回答期限)を申し立て、国に改めて開門義務履行を迫る構えです。

 交渉では、農水省が9日にも長崎地裁の開門差し止め仮処分決定(2013年11月12日)の異議を申し立てるとの報道に対し、弁護団が事実かどうか質問。国は「検討中」と回答を避け、間接強制に対しては争う構えを示し、会場からは怒号が飛び交いました。馬奈木昭雄弁護団長は「回答を避けることは、漁業被害を無視し、放置すると言っているのと同じ」と批判しました。

 堀良一弁護士は「国が開門義務不履行なのに大臣から(謝罪の言葉が)一言もない異常事態」と指摘。次回交渉時に、大臣の出席を要請しました。