「しんぶん赤旗」2013/11/30
開門の履行 国に要求
有明海訴訟を支援する長崎の会 長崎市で宣伝
 福岡高裁確定判決(2010年12月)が命じた諫早湾干拓事業潮受け堤防排水門(長崎県諫早市)の開門をめぐり、「よみがえれ!有明海訴訟」を支援する長崎の会は29日、12月20日に迫った開門期限の履行を国に求める宣伝に長崎市で25人が取り組みました。

 宣伝では、長崎地裁の開門差し止め仮処分決定(12日)に際しても、漁業被害を主張せず、漁業者と農業者の対立を激化させた国の責任を追及。坂田輝行事務局長は「国は開門のための準備をせずに放置してきた。完全な開門対策工事で農漁業・防災の成り立つ完全履行を」と強調。瑞穂漁協(雲仙市)の石田徳春組合長(76)は、水揚げ量の激減で漁師をやめる組合員が相次ぐ漁業被害の実情を「長崎市民にも理解してほしい」と呼びかけました。

 諫早市から支援に駆けつけ、懸命にビラを配っていた松田恵子さん(72)は「高裁判決から3年間、開門をさぼり、県も地元の対立をいたずらにあおっている」と語りました。

 ビラを受け取った女性(67)は「開門するのがスジ。確定判決が何だったのか分からなくなる。すべてが上手くいく方法で開門してほしい」と話しました。