「しんぶん赤旗」2013/11/22
諫早開門白紙戻す意見書
県議会可決、共産党は反対
 長崎県議会は21日、国営諫早湾干拓事業潮受け堤防排水門(諫早市)の開門を白紙の段階から見直す意見書を自民・公明の賛成多数で可決しました。民主、社民の3人は退席、日本共産党の堀江ひとみ県議は唯一反対しました。

 意見書は、12日の長崎地裁の開門差し止め仮処分決定を理由に福岡高裁確定判決(2010年12月)の命じた開門を白紙段階から見直すことを国に要求するもの。仮処分をめぐり国は漁業被害について主張しなかったため、確定判決と矛盾する決定が出されていました。

 堀江県議は反対討論で「仮処分はあくまで仮処分。判決は確定しており揺るがない。白紙の段階から見直せとする本意見書はあまりにも無謀」と指摘。「3年間の準備期間で開門のための対策工事に真摯(しんし)に対応しなかった国の責任は免れない。漁業被害を主張しなかった国に最大の原因がある」とし、「堤防閉め切りによる有明海の異変は、歴史上まれに見る環境破壊。自殺に追い込まれた漁民も少なくない。被害はもはや極限状態まできている」と訴えました。