「しんぶん赤旗」2013/10/26
元経営者らの控訴棄却
中国人実習生に不当労働 福岡高裁
 長崎県島原市の縫製工場で働いていた中国人実習生5人が奴隷的な労働に対する損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が25日に福岡高裁(原敏雄裁判長)であり、縫製会社の元経営者らの控訴を棄却、一審の認定した暴力・セクハラに対する賠償49万円などの支払いを命じました。

 裁判は、中国人実習生が「研修」を名目に、最低賃金を大幅に下回る時給300〜350円で3カ月間休日なし、月180時間を超える残業など奴隷的な労働に従事させられたとして、2010年2月に提訴。今年3月4日、長崎地裁は原告側の主張をほぼ認め、受け入れの協同組合や仲介業者らに連帯して1015万円の損害賠償を命じる勝訴判決を出しました。元実習生たちの働いていた縫製会社・元社長とその妻だけが控訴。その他の被告は控訴せず、判決が確定しています。

 原裁判長は6月26日の第1回口頭弁論後、7月と8月の2回にわたって和解を促す話し合いがありましたが、被告の提示金額が低額すぎて合意に至らず、今回の判決となりました。

 原告側の柏真人弁護士は「和解不成立は残念だったが、判決の結果には満足している」とのべました。