「しんぶん赤旗」2013/10/13
被爆体験者も研究会に
3団体が長崎市長に要望
 被爆体験者3団体は11日、長崎市の田上富久市長と懇談し、市に設置予定の「長崎市原子爆弾放射線影響研究会」の説明を受けました。

 被爆体験者は、長崎市の被爆地域の指定外とされたため、被爆者として認められず、被爆者健康手帳の交付も受けられないなど、行政から切り捨てられてきました。国は1974年に放射性降下物の降雨地域を原爆爆心地から南北に約12キロ、東西に約7キロと指定。しかし、本田孝也氏(県保険医協会会長)の研究によって、野母崎から三重地区にいたる広範囲に降り注いでいたことが明らかになっています。

 全国被爆体験者協議会、長崎被爆地域拡大協議会、多長の被爆体験者の会の3団体が懇談。田上市長の説明に、3団体から「高齢化する被爆体験者に対して、1年に1回の研究会で解決できるのか」「選任すべき本田氏を除外したのはなぜか」との質問が相次ぎました。田上市長は「国の制度を変えるための研究会。被爆地域拡大是正の突破口としたい」と回答しましたが、物別れとなりました。3団体は「研究会に当事者として被爆体験者も参加させる必要がある」と市に要望しました。


長崎市原子爆弾放射線影響研究会 原爆被爆者援護行政の施策の推進のため、医学、物理学、疫学の専門家で構成される研究機関。委員は6人で、開催は年に1回程度。低線量被ばく、内部被ばく、被爆二世への影響など原爆の放射線による人体への影響に関する研究全般を対象とします。