「しんぶん赤旗」2013/10/04
12月開門"工事間に合う"
諫早湾 原告に農水省明言
 国営諫早湾干拓事業潮受け堤防排水門(長崎県諫早市)の早期開門を求めている「よみがえれ!有明訴訟」原告・弁護団は3日、開門実務を担う農林水産省の幹部らと長崎市内で協議しました。

 開門実施に必要な事前工事はいまだ着手できていませんが、農水省は「(12月開門に)間に合わせることは可能」と明言しました。

 9月に2回試みた着工は開門反対派の妨害で中止していますが、今後の対応については「検討中」と答えるだけでした。

 根拠も示さず「開門すれば農漁業に被害が出る」と開門を妨害している長崎県への対応をめぐり、裁判所での開門賛成派・反対派・国の3者協議を求める弁護団の提案について、「3者であれば応じる」としつつ、「長崎県の態度が硬化するので難しい」と回答。弁護団は「国が積極的な姿勢を示すべきだ」と批判しました。

 小長井漁協(諫早市)の松永秀則さん(60)は「(県の妨害は)威力業務妨害ではないか。漁民は生活が成り立たない状況」と開門を要求。「(国の対応は)前進させようとする気が全く見えない」などの声が相次ぎました。

 開門を命じた福岡高裁確定(2010年12月)により、国は12月20日までに5年間の開門調査を始める義務を負っています。