「しんぶん赤旗」2013/09/21
長崎知事「ダム強制収用も」発言
住民「公約違反だ」
 長崎県の石木ダム建設事業をめぐり中村法道知事が土地を強制的に取り上げる強制収用を示唆する発言をしたのは「公約違反」として、建設に反対している4団体約15人が20日、抗議しました。日本共産党の堀江ひとみ県議が同席しました。

 石木ダムは、県と佐世保市が、佐世保市の利水と川棚(かわたな)川の治水を名目に、東彼杵(ひがしそのぎ)郡川棚町・石木川に建設する計画です。地権者13世帯約60人が「佐世保市の水は足りており、利水は必要なく、治水効果もない」として、50年以上にわたって反対を続けています。

 問題の発言は、強制収用が可能となる事業認定が告示された6日に中村知事が「強制収用は別途手続きが必要だが、しかるべき段階で決断を求められる」「理解が得られない場合は(強制収用が)選択肢としてありうる」とのべたというものです。

 中村知事は、2010年の知事選で石木ダムについての公開質問状に「強制収用はしない」と明確に回答していました。4団体は「強制収用もありうるとした中村知事の発言は公約違反だ」と批判しました。県土木部側は「現在は強制収用しない」とのべるにとどまりました。