「しんぶん赤旗」2013/09/18
「赤潮続き不漁」
諫早開門訴訟 漁民が陳述
 国営諫早湾干拓事業潮受け堤防排水門(長崎県諫早市)の早期開門を国に求めて長崎県の漁民が起こした開門請求訴訟は17日、長崎地裁(井田宏裁判長)で口頭弁論があり、漁民が干拓事業による漁業被害を告発しました。

 不漁でタイラギ(二枚貝)漁もアサリ・カキ養殖もできなくなり、食用クラゲを捕り続けている平田勝仁さん(47)=小長井漁協(諫早市)=は「堤防ができた後、赤潮が何日も続くようになった」と陳述。調整池からアオコの大量排出が続いている現状を「港中が(アオコで)緑色になっていた。捕った魚もアオコの臭いがするため、売るどころか自分で食べることもできない」と説明し、「再生した海を次の世代に渡さなければならない」と早期開門を訴えました。

 閉廷後の報告集会で、馬奈木昭雄弁護団長は「開門すれば被害が起こる」という根拠のない主張で農漁業や防災機能を守るための工事を妨害している長崎県の異常さ批判。「(異常さを)社会的に明らかにしないといけない。裁判所での協議も必要」と述べました。

 開門を命じた福岡高裁確定判決(2010年12月)により、国は5年間の常時開門を12月20日までに始めなければなりません。

 次回弁論は10月29日。