「しんぶん赤旗」2013/09/12
ひと
色付き恵比須まちづくり
峰 松巳さん(86)
 七福神の一柱で漁業神として漁港などで信仰される「恵比須(えびす)」。街角にある「恵比須の笑顔を取り戻そう」と彩色して表情をよみがえらせ、風化を防いでいます。

 「長崎自然と文化を守る会」で郷土の歴史研究に携わってから恵比須に興味を持ちました。自治会長の傍ら昨年5月から長崎市深堀町の「恵比須でまちづくり部会」の部会長を兼務し、恵比須保存とまちおこしの活動を進めています。

 色付き恵比須は長崎の他に例がなく、各所の恵比須を探す「恵比須巡り」には町外から見物客が訪れました。恵比須が結んだ町内の絆に「えびす顔」をほころばせます。

 漁師の次男として生まれました。きょうだい11人。親と一緒に働いても貧しい暮らしからは抜け出せません。

 1945年に徴兵され、列車で戦地に向かう途中に敗戦を知り、8月23日に長崎市に戻りました。被爆の証明なしとして入市被爆者とは認められず、今も長崎市被爆地域拡大協議会会長として被爆者援護に取り組んでいます。

 57年、長崎三菱造船所に就職。そこで日本共産党に入党、「不屈」の精神で大企業の弾圧に立ち向かいました。

 「深堀恵比須」の胸には、航海の安全を期した羅針盤がかたどられています。「風雨に負けず、にこにこして座っている恵比須の姿は、日本共産党の姿とぴったり。一人ひとり人生の羅針盤を持つことが大事です」
文・写真 村ア 利幸