「しんぶん赤旗」2013/09/08
石木ダム建設事業認定
「強制収用は無理」 住民が抗議
 長崎県東彼杵(ひがしそのぎ)郡川棚(かわたな)町に建設予定の石木ダム建設事業の事業認定が6日、国によってなされました。事業認定は、土地の強制収用を可能とするため、50年以上反対を続ける建設予定地の住民から抗議の声があがっています。

 石木ダムは、長崎県と佐世保市が川棚町・石木川に佐世保市の水不足対策と地元の洪水対策を理由に、285億円かけて総貯水量548万トンのダムを建設する計画です。約50年前の県による無断測量調査以来の強行姿勢を崩さない県と白紙撤回を求める住民との攻防が続いていました。「佐世保市の水は足りており、治水効果もない」とする建設予定地の地権者住民の根強い反対で、工事は未着工のままです。

 事業認定の効力期間は、1年〜最長4年。県収用委員会に申請・裁決されれば、土地の強制収用が可能となります。石木ダム建設絶対反対同盟の岩下和雄代表(66)は「今後も石木ダム建設に絶対反対の立場は変わらない。強制収用できると言うが、今現在の住民13世帯すべてを強制収用するのは無理な話。住み続ける覚悟でたたかっていく」と語りました。

 石木ダム建設計画の見直しを訴えている日本共産党の堀江ひとみ県議は「この間、知事は『強制収用はしない』と言ってきた。強制収用という事態のないよう、反対しているみなさんと協力していきたい」と話しました。