「しんぶん赤旗」2013/08/06
悲惨な経験伝えたい
被爆者の証明 2人申請
 長崎市の女性2人が5日、被爆者として認めてほしいと、長崎市に被爆者援護法の「3号被爆者」を申請しました。

 申請したのは、小宮アヤ子さん(89)と山崎スミさん(86)の2人。被爆当時、2人は、爆心地から南西約10キロの香焼町で防空壕に運ばれた原爆による負傷者数十人を看護婦として救護しました。申請時に国は第三者2人以上の証明を国は求めていますが、小宮さんと山崎さんはお互いを証人として証明し合う形で同時に申請しました。

 申請に付き添った日本共産党前市議の津村国弘さん(70)は、被爆から68年がたち、被爆者の高齢化で証人探しが困難になっている現状にふれ、「過去3年間で長崎市に申請した302件のうち被爆者健康手帳の交付は1割にも満たない25件。『3号申請』たったの2件。厳しい被爆者認定審査のあり方も問題となっている」とのべました。

 小宮さんは「被爆者の証明である被爆者健康手帳を持ち、原爆のような悲惨な出来事がないように自分の経験を伝えていきたい」と話しました。



3号被爆者
 1945年8月に米軍が広島・長崎両市に原子爆弾を投下後、爆心地の外に避難した被爆者の救護にあたるなどして、残留放射能により二次的に被爆した人。被爆者援護法の第1条3号に該当する被爆者。直接被爆者(1号)、入市被爆者(2号)、胎内被爆者(4号)があります。国の認定を受けると医療費が自己負担のなくなる被爆者健康手帳が交付されます。被爆者の約1割を占めます。