「しんぶん赤旗」2013/08/01
“無意識に違反”の交差点
大村市 分かりにくい交通看板
取り締まり方に疑問も
 長崎県大村市の国道34号線と国道37号線の交わる与崎交差点での交通違反の取り締まりに、市民から疑問の声が上がっています。ドライバーが無意識のうちに違反をしてしまう構造の道路での取り締まりだからです。
(長崎県・村ア利幸)



 与崎交差点付近は昨年3月に終わった工事で、対向車線も合わせて4車線の道路となりました。大村―諫早の行き来には必ず通る交差点です。諫早市街に向かう本線、左折して三浦経由で諫早市に向かうもう一つの分岐点となります。第1通行帯が左折、第2通行帯が本線に行く道です。

物陰に隠れて
 この交差点で7月、大村市の男性(59)は、本線へ向かうため第1通行帯から第2通行帯に車線変更した際、通行帯違反を理由に切符を切られました。進路変更を促す看板が4カ所ありましたが「注意深く見ていないとわからない」と話します。通行帯違反の罰則は、普通車で罰金6000円(原付・5000円)、減点1です。車線変更禁止の黄色い線をまたいで車線変更したのですから違反には違いありませんが、男性は納得がいきません。「運転手に違反の認識がないまま、罰金と減点。おかしいのではないか」。

 問題の交差点は、注意を促す看板が分かりにくいため、見落として進めば、車線変更禁止地帯で車線変更を行うケースが続出。違反車を物陰に隠れている警官が取り締まっています。周知徹底されておらず、ほとんどのドライバーが意識せずに違反するため、「そもそも取り締まる必要があるのか」という声も市民から出ています。

二輪車は危険だ
 原動機付き自転車やオートバイは、諫早市に向かうとき、第2通行帯に車線変更する必要があります。二輪車は通常、第1通行帯を走行しますが、その車線変更のときでも、違反と認められれば、罰金・減点の対象となります。与崎交差点での二輪車の車線変更は危険だと、取り締まる警官も認めています。

 日本共産党大村市委員会の久野正義前大村市議は「交差点進入前に双方の通行帯に誘導させる右矢印線を引き、交差点直前で左折と直進の2車線にすれば、問題は解決するのではないか」と対策を提案します。「善良な市民が意識せず、交通違反を強いられ、取り締まりを受けるのは、適切な交通行政のやり方とは言えない」と語りました。