「しんぶん赤旗」2013/05/19
速やかな開門を要求
有明訴訟 報告集会開く
 国営諫早湾干拓事業(長崎県諫早市)の潮受け堤防排水門の開門を求める「よみがえれ!有明訴訟」弁護団は18日、諫早湾沿岸の漁民らを交え、訴訟の報告集会を長崎県雲仙市内で開きました。

 集会で「有明訴訟」弁護団長の馬奈木昭雄氏は、12月の開門期限を前倒しして、速やかに開門を実施させることが必要だと強調。開門準備工事である農業用水確保が、貯水タンク設置などで対応可能だとし、「漁民のみなさんが『前倒しはできる』と声をあげてほしい」と参加者に呼びかけました。

 諫早市の小長井漁協では、漁獲量が1985年から96年までの間に9割も減少しており、漁業は諫早干拓事業後に深刻な被害を受けています。

 馬奈木氏は、国や長崎県に求める漁業被害補償や生活支援策について、「提案を漁民のみなさんが検討して出してほしい」と語りました。

 開門阻止派の干拓地営農者らによる開門差し止め仮処分申請については、「国が対策工事を行わなければ、差し止められることはありうる」と懸念を表明。準備工事を行った上での開門が県民全体の利益になるとして、「みなさんに必ず同意してもらえる」と強調しました。

 差し止め仮処分の結論は、11月12日に出されます。