「しんぶん赤旗」2013/04/07
予算を読む
福祉・環境保健・教育は増加
一方で不要不急の「四大公共事業」も
 長崎県の2013年度一般会計当初予算規模は前年度比2・7%減の約6812億円です。2月補正予算と合わせると約7140億円で、前年度比1・9%増となります。

 県税収入は970億1800万円で、前年比0・3%減。地方交付税は2187億円で前年比1・4%減。交付税と臨時財政対策債は2635億円で対前年比1・7%減となっています。歳出に対する歳入の財源不足は230億3800万円で、基金の取り崩しで対応しています。

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 中村法道県政の新年度生活関連予算は県予算全体の41・2%を占め、金子原二郎前県政1期目の33・3%と比較すると7・9ポイント増となっており、福祉・環境保健・教育予算が増えています。乳幼児医療費助成事業の窓口負担解消に7億6360万円。県内公立・私立高校に就職指導専門員を配置するキャリアサポート事業など雇用関連22億3544万円。2月に起きた長崎市東山手のグループホーム火災を教訓に県内15施設にスプリンクラーを設置する予算1億8251万円。75歳以上の中度障害者を対象に追加することとなった障害者福祉医療費助成事業13億2123万円などがあります。

 新たな試みでは、市町が実施している住宅リフォーム助成制度に上乗せすることが可能な県住宅性能向上リフォーム支援事業に3億円を計上。工事対象に制限はあるものの、県による支援の第一歩となるものです。

 年々、減少が続く公共事業費は2012年2月補正311億円、2013年当初予算818億円と計約1129億円を確保しました。これは、8年前の2005年当初予算の公共事業費を上回る規模です。

 長崎県には不要不急の「4大大型公共事業」があります。費用対効果が薄く、反対の声が根強い長崎「新幹線」建設事業に63億559万円。利水・治水効果がなく、不要とされる石木ダム建設事業に16億4500万円。県庁舎を長崎駅周辺の「埋め立て地」に新築移転する計画関連では6億2486万円。諫早湾干拓事業にも32億3027万円もの県費が注ぎ込まれています。

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 大型公共事業以外にも、小学校5年生と中学2年生を対象に県独自で学力調査を実施する長崎県学力調査実施事業約600万円など、必要性が疑問視される事業もあります。

 県債残高は1兆2336億円で、県民1人当たりの借金は86万2000円です。前年度予算に比べ1万円増となっています。