「しんぶん赤旗」2012/08/28
“開門が唯一の希望”
諫早裁判 原告が意見陳述 長崎地裁

 国営諫早湾干拓事業(長崎県諫早市)で設置された潮受け堤防排水門の開門を求めた訴訟の弁論が27日、長崎地裁(井田宏裁判長)でありました。

 漁民原告代理人の國嶋洋伸弁護士が意見陳述に立ち、水産庁公表の調査報告書をもとに深刻な漁業被害の現状を伝えました。調整池の水が排水門から排出されると、「コーヒー牛乳のような色の汚水が広がっていく」と告発。排水が漁業被害の原因と訴えました。國嶋氏は「開門が唯一の希望。国が開門準備期間を浪費している間にも漁業被害は深刻化するばかりだ。国は開門に向けた工程表を示してほしい」と開門具体化を求めました。

 報告集会で、「よみがえれ!有明」訴訟弁護団の堀良一弁護士は、23日初めて実現した中村法道知事と漁民との懇談について「漁業被害がないと言っていた長崎県の調査で被害があることが明確となり、漁民の前では県知事も否定できず、大きな成果となった。現場に知事が出向くように働きかけていきたい」と語りました。