「しんぶん赤旗」2012/08/26
ツバキで地域振興
長崎・五島 お茶と配合 健康飲料が誕生

 約900万本のツバキが自生する長崎県五島列島で、ツバキによる地域振興が本格化しています。

 五島市では5年前に日本共産党の橋本憲治市議(当時)がツバキ研究所設置を提案するなど、注目されてきたツバキ。地域振興に役立てられないか模索する中、ツバキの葉を使った「五島つばき茶」で地域おこしを図る動きがあります。つばき茶の普及に力を入れる「グリーンティ五島」の入江稔雄さん(57)です。

 入江さんは15年前、耕作放棄地の解消を目的に県や市、農協の応援を受けてお茶の生産を開始。ペットボトルの普及などで需要が落ち、苦しい時期もありました。しかし、ツバキ油でしか需要がなかったツバキに注目し、地域おこしの目玉に据えようとしています。

 五島市の観光協会の要請で、長崎大学・県立大学・九州大学がツバキの効能についての研究チームをつくりました。3年間の研究で不明な点が多かったツバキが健康に非常に良いことがわかりました。お茶とツバキの葉を配合するとポリフェノールがつくられ、つばき茶には、血圧や血糖値を正常値に戻し、中性脂肪を減らすなどの効能があります。ツバキの葉は年中収穫でき、働き手は常に必要です。

 国は7月25日に「地域活性化総合特区」として「椿による五島列島活性化特区」を指定しました。特区指定により、地元の提案に基づき財政支援が受けられるようになり、取り組みに拍車がかかります。

 「つばき茶で生産者の生活を支え、島を離れた若い人が戻るきっかけになれば」と入江さんは夢を語ります。

(長崎県・村ア利幸)

五島つばき茶のお問い合わせ先
0959−72−4426