「しんぶん赤旗」2012/08/24
中小業者の営業の後押しに
佐世保市 住宅リフォーム助成

 長崎県佐世保市の「住宅リフォーム緊急支援事業」(リフォーム助成制度)は、20万円以上の増改築・リフォーム工事を市内業者に発注すると、工事費の10%(上限10万円)を助成します。

 「リフォーム制度関連では、多い時では1日で、10〜15人の方が補助申請の受け付けにいらっしゃいます」

 こう語るのは市産業振興課でリフォーム助成事業を担当する古川剛主任主事です。

 同課によると、7月末までに、昨年度同時期の1・3倍を超える785件の申請があり、6346万円の補助金交付が決定しています。すでに今年度予算(1億1760万円)の5割を超えました。市は新たに専属の職員を配置して対応しています。

 制度の利用が広がった背景には、佐世保民主商工会の取り組みがありました。

 佐世保民商は、市に対し「業者の仕事確保と市民の住環境整備につながる」と助成制度の実現を繰り返し要求。2010年の12月議会で日本共産党の山下千秋市議が実現を迫り、昨年4月から実現させました。制度が実施(当初予算約4200万円)されたのちも、民商や山下市議は、予算の追加、提出書類などの申請手続きの簡素化、対象となる工事の拡大などを繰り返し市に要請。予算の追加を実現してきました。

 この制度は、1年限定の制度でした。民商は市に制度の継続・拡充を求め、山下市議も「市民の住環境整備につながり、工事額は補助金額の14・7倍に上るなど、市内中小業者にも仕事が行き渡っている。これこそが税金の生きた使い方だ」と継続を訴えました。

 業者や山下市議の要求で、制度の延長が決定。予算額も昨年度当初予算の2・8倍に増えました。また、昨年度に補助金を受けた市民も、別の工事であれば今年度も改めて申請できる仕組みです。

 制度は、中小業者にとって営業の後押しになっています。

 工務店を営む中尾浩幸さん(47)は、独自のチラシをつくり、お客さんに制度の利用を勧めています。「10%の補助はお客さんには大きい。『補助制度をぜひ活用を』と訴えることで営業の切り口になっています」と言います。

 「昨年度末に制度を利用したお客さんが『今度は屋根の工事も』と言っています」と語る中尾さん。「制度を来年度以降も継続し、補助対象を広げるなどさらに充実させてほしい」と話しました。